根管治療

経験と勘に頼っていた従来法ではなく、確実に目で確認する、再発しない「可視化」根管治療の実践

○起こりうるリスク、副作用
術後に痛みや腫れが生じたり、歯根破折を生じる可能性もあります。

虫歯が進行すると、歯の神経(歯髄)まで悪さを起こしてしまい、神経を取り除き、神経が入っている管(根管)を綺麗に掃除し、最後に補綴物をかぶせます。

根管治療とは、簡単な治療ではありません。
根管内にある虫歯菌をすべて綺麗に除去するのは、骨の折れる作業です。下の画像のように、黒く残っている神経が残っている管が四方八方にあります。このすべてを綺麗に清掃する必要があります。

下の画像ですが、「黒い部分」が神経の入っている管であり、このすべてを綺麗に清掃する必要があります。

従来法の根管治療とは「勘」や「経験」に頼った治療で、再治療そして「抜歯」の選択を迫られることが多々ありました。

高倍率歯科用ルーペ(拡大鏡)やCT(3次元立体画像撮影装)を使用することで、肉眼で見えなかった細かい部分が見えるようになり精密な治療が可能となりました。

根管治療の可視化

当院の実施している「精密根管治療の可視化」は再発しにくいことが特徴です。

下記のアメリカの大学でとられた統計データのパターン1に近い数値です。

根管治療の精度 かぶせ物の精度 成功率
パターン1 高い精密度 自費のかぶせ物 91.4%
パターン2 中度の精密度 自費のかぶせ物 67.6%
パターン3 高い精密度 保険のかぶせ物 44.1%
パターン4 低い精密度 保険のかぶせ物 18.1%
根管治療の特徴
治療精度を飛躍的に高めるルーペの使用

高倍率ルーペにて、治療部位を高倍率で拡大し、しっかりと根管部分を確認します。成功確率を上げるためには必要不可欠です。

左の画像が肉眼、右の画像が高倍率ルーペで見た問題のある部分です。

この機器を使うことで、抜歯せずに治療することができました。

抜歯の可能性が高い治療でも、抜歯せずに対処した症例が多数あります。

黒い影が出ている部分が問題の個所(根尖病巣)です。右の画像では、治療後にこの影がなくなっています。

レントゲンでは確認できない問題個所をCTで確認

CTでは、通常のレントゲン(デンタルエックス線写真)では発見できないような微細な病変を確認することができます。

下の画像はCTで撮影したものです。

赤丸がついている部分が問題のある根尖病巣です。レントゲンよりも精密に、どの部分まで問題があるかがわかります。

再治療を回避するために「ZOO」を活用

根管治療においては、通常であれば、緑色のゴム製カバー(ラバーダム)を使用してお口にかぶせるように使用し治療を行うことが多くあります。

当院では、ラバーダムではなく、ZOOというラバーダムと同じ効果を得られ、患者様に不快感を与えないよう治療ができる道具を使用しております。

再感染のリスクが低い「垂直加圧方式」を採用

神経の管の中にある細菌を取り除いた後には、根管の先に薬を充填します。

薬の充填方法には、大きく2つ、「側方加圧方式」と「垂直加圧方式」という方法があります。

当院では、隙間ができにくい「垂直加圧方式」を採用しております。

隙間ができてしまうと、再感染のリスクが高まりますので、再感染のリスクを抑えた「垂直加圧方式」で充填治療を行います。

感染リスクを抑える抗菌性根充性

根管治療の最後に、神経を取った空洞部分である根管内を緊密に防ぐ「根管充填」を行います。

隙間を完全に覆うことができなければ、数年後再び感染してしまいます。

一般的には、「ガッパーチャ」というゴムで隙間を塞ぎますが、再発の可能性が高いため、「抗菌性充填法」を採用しております。

特殊な薬剤を根っこの中から先まで除菌します。薬剤は殺菌力が高く、非常に浸透性があり、半永久的に殺菌成分を放出し、体には害のない詰め物(充填剤)をします。

この充填剤は、非常に密閉性が高く、歯の表面に食い込んで固まるので、菌が繁殖するスペースがなくなります。 その上から抗菌性・強度もあるセメントで固め、土台作りをします。最後は、かぶせ物をして終了です(かぶせ物は保険外となります)。

さらに高度な技術が必要である
「歯根端切除術」や「再植術」

根管治療でも改善しない場合は、抜歯するのが一般的ですが、当院では「歯根端切除術」や「再植術」を行い、できる限り歯を残す治療を行っております。

歯根端切除術

根管治療が上手くいかなかった場合は、根っこの先にある歯根のう(膿の袋)ができます。こちらが大きすぎると抜歯しなければなりませんが、根尖(根っこの先)を切断することで摘出する処置が可能です。

再植術

再植術では、一度虫歯を抜歯し処置を行った後、お口の中に戻します。口腔内での治療は制限がありますが、口腔外では、360から問題個所の治療ができます。

根管治療では残すことのできない歯について

  • 根尖病変の原因が、根管の外部に存在するもの
    (根尖外バイオフィルムの存在)
  • 歯が広範囲で割れているもの(歯冠、歯根破折)
  • 虫歯が深く、虫歯を取り除くと
    被せものを被せるだけの歯が残らないもの

歯の治療は、なるべく残せるように丁寧な診断と治療が必要ですが、治療を重ねても残せない歯はあります。残せないのに、たくさんのちりょうを行えば患者様には余計な負担がかかります。当院では、精密な診断を行い、できるかぎり早期の段階で患者様に適切な手術や抜歯、その後の治療についてご提案できるように努めております。

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